情報科学科の教育
  1. 教育のねらいと特色
  2. 履修コース
  3. 卒業研究のテーマ

1.教育のねらいと特色

 現代は情報化社会である。社会活動のあらゆる領域に情報通信の技術が浸透している。情報を扱う手段の中心はコンピュータである。コンピュータによる情報処理の対象が格段に拡大し、情報の探索・収集・整理・変換・伝達・蓄積・制御・利用といったことが経済産業の構造を変容させ、さらに政治や社会の仕組みそのものを変容させつつある。情報技術の社会への浸透は今後さらに様々な形で拡大して行くことは確実であり、それを支える情報技術者の役割はきわめて大きい。情報技術の変化と進歩は急速である。世界中の情報技術者がその進化を加速している。情報科学科の卒業生は、世界中を巻き込んだ情報技術による社会革命の真ただ中を突き進んで行かなければならない。その情報化社会の真の担い手として21世紀の世界と日本で、自分の生涯を通して自在に活躍して行くための礎を築くことが本学科に入学した学生諸君がなすべき仕事であり、本学科の教育のねらいはそのような人材を育成することにある。そのために、本学科においては常にカリキュラムの見直しを行い、時代に即応した教育の実践を図っているが、生涯を通して各人を支えるのは結局のところ基礎学力である。その基礎学力は毎日の地道な努力の積み重ねでしか養われない。学生諸君は,入学後すぐに接する情報とコンピュータの基礎、数学と理学の基礎、教養系や外国語などの基礎科目に引き続いて、それぞれの興味と関心に従って専攻の科目を履修することになるが、それらがすべて基礎学力を培うものである。各人は、

  1. 物事を自分で掘り下げて考えること、
  2. 考えたことを実際に試み、体験を通して理解すること、
  3. 物事を多面的に見ることを学び、広い好奇心を持つこと、

が普段の心がけとして大事である。それを実践するために、講義への演習の組み入れ、数学系科目での習熟度別クラス編成、プログラミング教育での少人数クラス編成、演習科目と実験科目の充実、ゼミナール・輪講・卒業研究における個別指導やプロジェクト体験など、授業運営に多くの工夫を盛り込んでいる。専攻科目で何を勉強するかが各人の職業や仕事の選択につながることも少なくない。専攻科目の選択はあまり狭めることなく多くを履修することが望ましい。知ることによって好奇心が生まれ、その好奇心がさらに新しい知識を探り当てる。そのような学修の望ましい循環が得られるように配慮し、実践することが本学科の教育のねらいと特色である。

2.履修コース

 本学科には「情報コースと」「数理・物理コース」の2つの履修コースを設けている。情報科学科に入学する学生の資質は様々である。2つのコースはそのような多様性を受け入れる仕組みの一つである。
情報コースは情報科学を専攻する。情報科学は情報数学やアルゴリズムといった理論や基礎から始まり、オペレーティングシステム、コンピュータネットワーク,データベース等の基幹技術,コンピュータビジョンや知能システムなどの先端技術に至る広範囲にわたる。本コースは情報科学の基本原理と先端応用技術の修得を目標としてカリキュラムの骨格を次の4つのテーマカテゴリーによって構成している:

  1. ソフトウェアデザインとソフトウェア開発、
  2. ネットワークやデータベース等を統合したウェブ技術、
  3. 世界規模の分散処理技術を可能にするアーキテクチャ、
  4. 多様で膨大なデータからの情報・知識の抽出技術や知能・イメージ・感性情報処理。

これらの学修を通して、急速な進化を続けながら今や社会変革の推進力となった情報技術に迅速柔軟に適応し、情報処理を生涯の職業とするための基盤を養うことを本コースの眼目としている。
数理・物理コースは、数理科学(数学、応用数学)・物理学という自然科学の基礎科目を学ぶことにより、情報処理技術の基本的な仕組みの深い理解を目指す。具体的には、コンピュータがどのような情報処理に活かせるかの現状と将来展望について、数理科学的な側面からの理解を目指すとともに、ハード面においてコンピュータを支える半導体に代表されるナノデバイスの物理的理解を目指す。それと同時に、情報技術の数理科学や物理学への広範な応用についても学ぶ。そのために本コースでは数学・物理の基礎科目を十分に用意しており、他大学の物理学科に劣らない数理・物理の教育が受けられる。これらの学修により、情報技術やその応用の分野において、卒業後大きく活躍できる人材を育てることを目標としている。

3.2006年度卒業研究テーマ

石岡研究室

  • Schwarzschild 時空における粒子の量子化
  • 固体中の原子の拡散の相関係数
  • 拡散律速凝集体(DLA)
  • RSA暗号

内田研究室

  • Naregi認証システムの構築
  • SCoreのアップデートとPM/Ethrenetの性能評価
  • ハードウェア・ソフトウェア協調設計のための機能分割支援システム作成
  • レイトレーシングによる画像処理

小國研究室

  • Java によるライフゲームを用いた紋様描画ソフトの開発
  • 文様作成ソフトの開発
  • Java のクラスライブラリの開発
  • Javaによるカオス・フラクタル描画プログラムの拡張

川東研究室

  • 正方格子上での感染症の伝播シミュレーション
  • P2P通信を利用した分散処理システム

紀研究室

  • 多変量分析による着順予測モデル
  • AHPと適性検査
  • SIP におけるセッション確立の公平性評価
  • ステージ法を用いたM /Er /1 待ち行列の解析
  • ステージ法によるEr /M /1 待ち行列の解析
  • 紀研究室運用管理システムの設計開発 〜2006

桑原研究室

  • 加速度脈波を利用した情動の簡易な測定方法の基礎検討
  • 買物代行支援システム〜複数店舗の商品比較と宅配サービス〜
  • 買物代行支援システムで収集されるデータを題材としたエンドユーザー向けデータ分析手法の提案およびそれに特化したマニュアルの作成
  • リアルタイム演習支援システムにおける教育ログ分析ツール
  • カリキュラムデータ管理システムの構築〜データ構造の変化に対応可能なデータベース設計と編集機能の実装〜
  • インターネット型受験相談質問会支援システムの基礎検討〜質問会スケジュール調整ツールの実装〜

後藤研究室

  • 新聞記事データを対象としたnamed entityの解析
  • JSPを用いた教育支援環境の開発“授業内アンケートシステムの試作”
  • 地域活性化のためのポータルサイトの試作
  • 検索クライアントの機能拡張
  • XMLデータベース検索エンジンの機能拡張
  • 二次元知識ブラウザーの機能拡張“windowタイル表示化”

知久研究室

  • 自然現象におけるフラクタルパターンの検証と比較
  • 信号機を用いた交通機能のモデル化
  • 確率的グラフにおけるクラスター分析
  • 最適化問題 ─巡回セールスマン問題の解法と比較
  • 二次元および三次元格子上のボンド・パーコレーション
  • コラッツ予想

張研究室

  • 安全運転支援のためのビジュアル制御システム
  • 眉目のみでの表情判別
  • 医療画像データベースの構築に向けて
  • 画像認証のための電子透かし
  • 携帯電話と画像処理を用いた点字認識の前処理アルゴリズム
  • カメラ付き携帯電話による点字認識

長澤研究室

  • 木星の恒星化による地球環境の変化
  • 地球近傍での超新星爆発の観測
  • 宇宙を探る新しい素粒子 〜ニュートリノ〜
  • スターバースト銀河内におけるブラックホールの誕生
  • ブラックホールの蒸発
  • 宇宙ひもによるタイムトラベルの実現
  • 多宇宙の影響が強い世界
  • 宇宙の誕生と宇宙膨張
  • ダークエネルギーが宇宙年齢に与える影響

中田研究室

  • 中電流型イオン注入装置の立上げ
  • イオン注入装置を用いたカーボンナノチューブ生成法の研究
  • 高品質ダイヤモンド薄膜の形成と評価
  • 多目的分析装置の立ち上げ

永松研究室

  • 動的更新が可能なシステムの構造
  • ソフトフェアの動的再構成
  • 多数のモジュールから構成されるプログラムの動的再構成
  • 実行中のソフトウェアの部品交換
  • 動的システムの再構成

中山研究室

  • 日本語意味記憶空間の構築
  • 日本語テキストからの情報抽出

野口研究室

  • 組込み用を目指したOSのセキュリティの研究 ―MINIX3のセキュリティ機能の評価と強化の実験―
  • 自国語プログラミングの実験 ―変数の識別等の改良
  • 携帯電話を用いた電子印鑑システムの改良と出席通知システムへの適用実験
  • Webサービスのセキュリティの実装実験 ―WS-Securityの適用によるセキュリティの強化―
  • スキーマに基づく帳票形式でのXML文書作成方法 ―W3C XML Schemaの適用―
  • FeliCaを利用したインテリジェント学生証の実装実験

羽鳥研究室

  • ノイズが付加されたカオスデータのパーセプトロンによる将来予測
  • Sierpinski Gasket上のラプラシアンの固有値問題
  • 立体フラクタルと球面フラクタル
  • 伊藤清とブラック・ショールズ ―確率微分方程式のファイナンスへの応用―
  • 格子ガスセルオートマトンによるケルビン・ヘルムホルツ不安定性のシミュレーション
  • 能勢のシンプレクティック差分法の改良

松井研究室

  • Web予約システムの開発
  • Webアプリケーションの保守・管理
  • JSPを用いた書籍購入システムの構築
  • 携帯電話用RSSリーダーの開発と研究
  • オブジェクト指向演習用オセロプログラム対戦支援プログラム
  • PNG圧縮の構築
  • 機械学習による五目並べの戦略獲得
  • コンピュータ将棋の開発
  • 人間のように指せる将棋ソフトの開発

水野研究室

  • Cイオン注入法を用いた新半導体基板Si1- xCxの開発 ―結晶性の回復の実験―
  • キャリア移動度自動測定システムの開発,及び(110)面ひずみSOIp-MOS素子性能評価
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